それは禁断という愛

きっと、今まで付き合っていた彼女も、ここに連れて来ているのだろうか。

「あっ、もしかして気になってる？」

「え？」

「今まで彼女を連れて来たことはないよ。取引先の会合にいつも使ってるんだ。」

「そうなんですか。じゃあ、なぜ今日は私を？」

里中さんは、私のグラスにワインを注いだ。

「二人の記念の日だからね。」

やばい。

里中さんが、とてもカッコよく見えて、彼ばかり見つめてしまう。

そして里中さんも、私をよく見つめてくれる。

このまま、里中さんと付き合っても、きっと彼は私を大事にしてくれる。


私は飲みなれないワインを、グイっと飲んだ。

ほろよいのいい感じ。

会話は少ないけれど、かえってそれが心地よい。

「美麻さん。」

「はいっ！」