それは禁断という愛
「ええっ⁉」

私も偶然の一致に、飛び上がる程に驚いた。

「まさか、同じマンションに住んでたなんて。」

「ねえ。」

そして、またクスクス笑いあった。

「マジで何年振りですか。」

「高校受験の時に家庭教師していたから、10年振り?」

「ええ⁉先生、全然変わらない。」

「どういう意味?」

女も30になると、変わらないという言葉に引っかかる。

「相変わらず綺麗ってことすよ。」

「おっ!お世辞言うようになったんだね。」

私は、晴太君の肩を掴んだ。

家庭教師していた頃は、同じ身長だったのに。

今は、私よりも背が高い。


「晴太君は……変わったねえ。」

「ははは。いつまでも中学生と一緒じゃないですよ。」

高校の合格を聞いて、それっきり会わなくなった私達。
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