平安物語【完】



女房が開けてくれた襖から、そっと中へ入りました。

東宮様は、珍しくお褥の上に背を向けて横たわったまま、こちらを向かれません。


―やはり、怒っておいでなの…?


不安で目の前が涙で滲み、回れ右して帰りたい衝動に駆られました

しかしそんな訳にもいかず、おずおずと近づいて東宮様の足元へ座ろうとしました。



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