平安物語【完】
それから五年後、白虎院が崩御なさいました。
御年四十五歳でした。
片時もお側を離れずに看病していた皇太后様は、祈祷のためにその場にいた高僧に頼んで、その場で長く美しい御髪を切り落とし、尼となってしまわれました。
その髪を束ねたものを、院の棺の中にお入れなさったのでした。
いかにその愛情が深かったのかを垣間見た人々は、白虎院の御遺体に微笑みかける皇太后様とは正反対に、恐ろしい程に泣き惑ったのでした。