白いカーネーション

第1話 母の日

5月第2日曜日。

いつの頃からか、その日は“母の日”と呼ばれるようになった。

母親への日頃の感謝を込めて、赤いカーネーションを贈る事が恒例だ。



「赤坂先輩は、母の日、何を贈るんですか?」

突然の後輩の質問に、私は手を止めた。

「母の日?」

「はい。」

お嬢様風に気取っている後輩は、ニコニコしながら母の日のプレゼントのカタログを持っている。

「ああ……どうしようかな。」

正直言うと、母の日の事など頭の片隅にもなかった。

「カーネーションもいいですけど、今はエプロンとかお菓子も一緒に贈るのが流行りなんですよ。」

後輩は嬉しそうに、持っているカタログを見せた。

プレゼントに、流行り等あるのか。

それもそれも疑問だと思いながら、カタログを覗くと錚錚たる値段がズラッと並んでいる。

「へえ……私も考えてみようかな。」

私が返事をすると、後輩は嬉しそうに、自分の席へと戻って行った。

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