冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~
「パパー、この子とは何でもないの」

冬美さんは、社長の腕を持ってしなだれかかった。
”パパ”だの”この子”だの、後でお仕置きをしなくちゃだな。

「芝居はやめなさい」
「芝居はやめてください」

二人同時に言っていた。ちなみに前者は社長で、後者は俺だ。

冬美さんは、きょとんとしながら、俺と社長を交互に見ていた。

L字型のソファに3人で座った。社長、冬美さん、俺の順序で。

「君は、私と冬美の関係に、気付いてるようだね?」

社長が俺に向かって言った。

「はい。愛人関係でない事は元より、親子だと思いますが、違いますか?」

俺がそう言うと、冬美さんがハッと息を飲むのがわかった。

「ほお、なぜわかったのかね?」

「お二人は、鼻の形や顎のラインがよく似てますし、決定的なの瞳の色です。お二人とも灰色がかった神秘的な瞳なので、すぐに判りました」

「なるほど。私の母親は、ロシア人なんだ」

ああ、だから社長の顔は日本人離れしてるし、瞳の色が変わってるんだな。冬美さんはクウォーターって事か。
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