冷淡女上司を攻略せよ!~ヘタレ年下イケメン男子の恋愛奮戦記~
まーくんはベージュのスラックスに黒のポロシャツを着て、作業しやすいと言うよりも、お出掛けに向いた服装をしている。

私は、『動きやすい服を着てね』ってまーくんに言われたから、ブルーのジーンズに白地のプリントTシャツを着てる。たぶん、組み立てとかの作業を手伝わされるんだと思う。

「来た!」

まーくんが、スマホを見て叫んだ。そして、

「はーい、すぐ行きまーす」

と、スマホで誰かに言ったけど、どこに行くのかしら?

「さあ、行きましょう?」

って、私はまーくんに手を引かれたけど、意味が解らない。

「部屋に運んでもらわないの?」
「へ? 冬美さんったら、冗談がきついなあ」

冗談じゃないんだけどなあ。

私は訳が分からないまま、まーくんに手を引かれ、玄関を出てエレベーターに乗った。

てっきり運送屋さんが部屋まで運んでくれるものと思ったのだけど、エントランスで受け取るのかしら。

そして、まーくんと私で部屋まで運ぶのかしら……って、それは絶対に無理!

あ、そうか。きっとお出迎えするんだわ。熱帯魚を初めて買う時って、それがマナーなのかもしれない。

かなり変わってるけども。
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