四神の国の朱雀さま
朱雀と転校生
颯真に正体を明かしてから、数日が経った。
毎日、僕と颯真は世間話をしたりネット麻雀をしたりして過ごしている。
1番後ろの窓側にある僕の席の後ろに、もう1つ机が置かれていて、転校生が来るのではとクラスメイトは騒いでいた。
ホームルーム開始のチャイムが鳴って、担任の先生が入ってきた。先生は教卓の前に立つと、クラス全体を見渡してから「おはようございます」と挨拶をする。
「えー、突然だけど今日は転校生がいる。入っておいで」
先生がドアの方を向きながら言うと、ドアが開いて1人の男子高校生が入ってきた。
毛先に黄色のグラデーションのかかった銀髪に、黄色の瞳。
見覚えのある姿に、僕の口から小さく「はぁ?」と声が出る。
「初めまして。親の都合でこちらに転校してきました、周防凛(すおうりん)です。よろしくお願いします」
彼は、そう言ってニコリと笑った。
「周防の席は、あそこな」
先生が、一つ空いている、僕の後ろの席に指を指した。彼は、返事をすると僕の後ろの席に座る。
そして、彼はカバンからメモ帳を取り出すと何かを書き始めた。
『今日からよろしく頼む。朱雀』
そう書かれたメモ帳をこっそりと僕に見せて、彼はニヤリと笑った。