ひとつ、ふたつ、ひみつ。
「っはぁー……」

学校の正門を出た。
それだけのことが、こんなに疲れるなんて。

ずーっとチラチラとこちらを見られていて、冷や汗が止まらなかった。

「こまり、大丈夫? なんかあったの?」

私の深いため息に、隣の真尋くんが心配そうに顔を覗く。

何がすごいって、あの視線の数々を本人がなんとも思っていないこと。
きっと元の世界でもモテすぎて、こんなの当たり前なんだろうな。

歴代彼女も、美人しかいないとか。

……彼女。
いたよね、当然。

「ねー、こまり、もうマスク取ってもいい?」

「あっ、待って。この辺、うちの学校の生徒がまだ多いの。ごめん、もう少し我慢して?」

「んー、分かった」

「ジャージは脱いじゃっていいよ。重ね着してるから暑いよね」

本音で言うなら、フルフェイスでもしてほしい。
でも、スタイルもいいからな……。イケメンを隠し切るのは無理なんだよね。
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