ひとつ、ふたつ、ひみつ。
「そうだ。冷蔵庫からっぽだったよね? 買い出ししてから帰らない?」

「買い物? うん、行く」

私の提案に、真尋くんがパッと笑う。
マスクをしていても、相変わらず可愛いな。

買い物が好き……というよりは、確か真尋くんって周りの自然を見るのが好きだったんだよね。

今だって、下校路に興味津々(きょうみしんしん)みたいだし。

「真尋くん、私が学校に行ってる間、ずっと家の中にいない? 外に出ないの? 生活費用の財布の場所も教えてたのに、全然使ってないし」

「だって、こまりがいないのにひとりで出かけたって、つまんないよ。一緒がいい」

「さ、さみしがり屋だね……?」

ええ、何それ可愛すぎる。

「うん。だから、手繋いでいいよね?」

“だから”とは。

「よ、よくない……。まだ、学校近いし、──わぁ!?」

私の言葉を無視して、大きな手が私の手をすっぽりと包む。

「こら、真尋くん……!」

「んー? なに? 聞こえなかったなぁ」

「もう!」

近くに、友達とかクラスの人はいないよね?
花恋なら知ってるからいいけど。

……いや、よくない。花恋には、いとこって説明したんだ。
どんないとこ関係なのかって思われる。
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