ひとつ、ふたつ、ひみつ。
「も、っ……真尋くん!」

「あはは、ごめん」

「う、あ、謝ることないけど……」

「ん? ああ、こまりはキスしてほしかったんだもんね」

「……もう行く」

「待って待って、ごめんって」

肩のあたりを抱きしめていた腕が、腰まわりに移動する。

なんか……ここをぎゅってするのって、ちょっとやらしい感じがする。
……考えすぎか。

「こまりは、ずっと幼なじみくんと一緒に登下校するつもりなの? これからも、ずっと」

「え? えーと……」

考えたこともなかった。
小さい頃からずっとだったから、完全にルーティン化してしまっていて。

「……あの、真尋くん」

「なに?」

「またやきもち……でしょうか」

「ですよ?」

え、可愛い……。
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