ひとつ、ふたつ、ひみつ。
「だってさ、自分の彼女が朝から放課後まで、他の男子とふたりでいるのなんか、嫌だし」

朝から放課後まで一緒って言い方は、なんか語弊があるけど。
それよりも。

「彼女……?」

「え、違うの。そう思ってたの俺だけ?」

「違くない……」

う、うわぁ、彼女。
彼女だって。真尋くんの、彼女。

噛みしめるみたいに何度も頭の中で反芻(はんすう)させて、ジーンとする。

好きな人の、彼女。
それって、なんだかすごい。

いつか絶対に離れる日が来ると思っていた分、余計に。

「逆にさ、こまりは平気なの? 俺が、幼なじみだからとか言って毎朝同い年の女の子と一緒にいるの」

「えっ、絶対やだ!」

顔を上げて即答したところに、また連打チャイムが鳴り響く。
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