ひとつ、ふたつ、ひみつ。
ニコニコと笑って、さらりとかわす大人の余裕を感じる。
一歳しか違わないくせに。

……元の世界では、どうだったんだろう。
真尋くんの、余裕のその理由は。

「真尋くん、元の世界でもすごいモテてたでしょ」

「え? どうしたの、突然」

「今まで、何人と付き合ったことがあるの? ど……、どこまで、したの?」

「……」

パチ、パチ、と、確かめるようなゆっくりのまばたきが、私に向けられる。

そして。

「ちゃんと好きになったのは、こまりが初めてだよ」

じゃあ、あの沈黙は、なんだったのか。
そして、微妙に答えになっていないような気が。

もちろん、そう言ってくれるのは、すごく嬉しいんだけど。

「“ちゃんと”?」

「うん。こまりのことは、ちゃんと好き」

「ちゃんと好きじゃない女の子も、いたの?」

「……」
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