ひとつ、ふたつ、ひみつ。
「やばーっ! 電車、あと何分!?」

「えーっと、五分っ。急ご!」

同世代くらいの女の子ふたりが、私たちの横を走り抜けて改札口へ向かう。

そうだ、早く行き先を決めなきゃ。
真尋くんが楽しめそうなところ……。

……あ。

昨日の、空を見上げる顔を思い出す。

そうだ。

「真尋くん、こっちだよ。すぐ後ろにいて、私の真似してね」

「うん」

切符をふたり分買って、自動改札の通り方を見せる。

向かうのは、上り電車がやってくるホーム。

順番通りにきちんと並んで、電車が到着したらおりる人が先。

真尋くんは全てがめずらしいようで、人の動きがあるたびに、「おー」とか「へぇ」とか呟いていて、見ていて飽きない。
< 66 / 276 >

この作品をシェア

pagetop