ひとつ、ふたつ、ひみつ。
確かに、日本は世界規模で見れば、サイズ的には小さい方かもだけど……。
狭い土地って、言うほどかな?

「真尋くんのいた日本は、人口が多いの? 五億人くらいいる?」

「億なんていないよ。えっと、何千万人だったかな。ちゃんとは覚えてないんだけど」

「えっ」

「え?」

むしろ、こっちより少ない?
だったら、土地なんて余り放題な気が……。

「どこも、高い建物ばかりなの?」

「そうだね。俺は、全国に行ったことがあるから」

うわ、いいな。ワープ便利すぎ。

……じゃ、なくて。

「でもそれって、雪国の人とかは困らない? あまり建物が高いと、雪下ろしが……」

あ、ワープを使えるから、簡単に空まで飛べるんだっけ。
建物のてっぺんまで行って、そこから雪を落とし……たら、危なくないかな?

高層ビルの上から落ちる雪のかたまりを想像して、下に人がいたらと思うとハラハラする。

だけど。

「雪国? 日本で?」

キョトンとした顔を返されて、私は鏡のように同じ表情を返した。
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