私は今日も、知らない
そう、私は自他ともに認める面食いなのだが...
「ん?」
彼は怪しげな笑みを浮かべながら、しゃがみ込んだ。
こちらをじっと見つめてくるものだから、心臓の音がうるさくて、うるさくて...
何かしゃべらなきゃ、と思ったけど、声が出なくて。
そのままじっと、私は彼を見つめた。
彼もそれにこたえるように、こちらをじっと見つめていた。
まるで、時が止まったみたいだった。
夜の静けさが、その静寂が、とても心地よかった。
「ねえ子猫ちゃん」
ああ、子猫ちゃんって、私の事だったんだ。
本能的に、理解してしまった。
「拾ってあげようか?」


