二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

クラス編成試験

~惺音~

狐憑き事件からしばらく。



あたしたちの高校入学が間近に迫っている。



「え、クラス編成試験!? 何それ!」



朝ごはんのトーストをくわえながら、手元にある、高校から届いた『クラス編成試験のお知らせ』を見て青蘭が目を丸くしている。



あたしたちが入学する高校『静ノ森学園(しずかのもりがくえん)』は、妖だけが通う学校。



先生、生徒、全員が何かしらの妖だ。



こういう学校はこの人間界にいくつか点在していて、中でも静ノ森学園は血筋の良い妖が通う高校だ。



煌と青蘭の場合はそこまで血筋が良いというわけではないけど、あたしの神使ということで特別に入学が許された。



そこまではいいんだけど、学力に依らず妖という条件で入学するこの高校は、クラスを学力順で分けるらしい。



だから、入学前に学力を測るためのクラス編成試験が必要となる。



あたしは学力が高い方なんだけど…。



「2人はどうなの?」



あたしはトーストにバターを塗りながら2人に聞く。



「俺は余裕」



さらっとそう言う煌。



一方青蘭は…



「俺、勉強なんてしたことない…」



青蘭の言葉に、あたしと煌は驚きの表情で青蘭を見た。



青蘭はあたしたちの顔にため息。



「だってこっちの世界にもアテがなくて来たことなかったんだよ? 勉強なんてする暇あったと思う?」

「じゃあ小学生の知識すらないわけ…?」

「あるわけないじゃん!」
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