二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない
「いい、屋敷で庭の手入れでもしてて」



あたしが言って出かけようとすると、美衣が慌てた様子で前に進み出た。



「そんなわけにはまいりませんよ!」



そう言いながら自分の着物の裾につまずいてずっこける。



萩江が呆れた顔をして美衣を起こした。



美衣は少々天然でお転婆なところがある。



「美衣、惺音様は本当は煌様と2人きりでデートがしたいのです。察しなければいけませんよ」



萩江のその言葉にあたしは真っ赤。



「そ、そんなこと一言も言ってないでしょ!?」



あたしの反論に萩江はクスクスと笑う。



って、美衣も、「なるほど」なんて言って手をポンとやるんじゃない!



煌がニヤニヤと笑って「デートしたかったのか~。じゃあ行くか、惺音チャン」なんて言ってあたしの手を握った。



あたしは何とも言えなくなってうつむいた。



もう~…何年経ってもこんなんばっかり…。



それから2人で家を出た。



外の天気は気持ちの良い快晴。



近くの公園に着いてベンチに座って桜を眺めていた。



200年経ってもお花は毎年綺麗。



そこに、子供の大きな声が聞こえた。



「えっ、これ、いいの!?」

「うん! お誕生日おめでとう!」



7歳くらいの男の子と女の子。



あたしは『誕生日』という言葉に反応して思わずその子たちを見る。



そして、その顔に思わずあっと声を出す。



面影が…蘭と莉子にそっくり…。
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