二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

入学、そして誕生日

~煌~

ついに4月になり、今日、俺たちは高校へ入学することとなった。



クラス編成はまだ分からない。



朝から緊張の面持ちなのは蘭。



今日はまず入学式があって、そのあとにクラス分けが発表される。



数日前に屋敷に届いた新しい制服。



それに袖を通すと、なんだか気分も一新される。



準備をして居間に出ると、蘭がすでに新しい制服を着て待っていた。



ベージュのブレザーに赤いネクタイが結構似合う。



「早いな」

「まあね、俺は早くクラス分けが知りたくてそわそわしてるんだよ」

「いくら早く出ても先にある入学式の時間は変わんねえけどな…」

「いいんだよ、気持ちの問題!」



そこに、新しい制服を身にまとった惺音が現れた。



俺と蘭は一瞬言葉を失くして惺音をじっと見つめた。



可愛い…。



レースの入った白いブラウスに、膝丈のショルダースカート。



スカートの裾には赤いレースが入ってる。



そこに指定外のピンクのカーディガンを羽織った惺音は、そこらへんの女には到底敵わないくらい可愛かった。



「惺音ちゃん、超~可愛いね」

「か、可愛くないっ」



俺たちの視線に恥ずかしくなったのか、モジモジと身を縮める惺音。



その仕草すらかわいいんだからどうしようもない。



「ほ、ほら行くよっ」



惺音がそう言ってさっさと居間から出て行った。



俺たちはそのあとを追いかける。



「俺、学校って初めて。どんなところ? 楽しい?」



学校までの道のりを歩きながら蘭がわくわくと俺たちに聞く。



「あたしは~…別に好きじゃないかな。友達もできなかったし…」

「そうなの? なんで?」

「ほら、あたし人見知りだから…」



惺音の言葉に、俺は「人見知りっつーか悪態つくからだろ」と言う。



惺音ににらまれた。



俺は首を縮める。



ほら…そういうところだぞ…。
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