神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
「やっほー、ツキナ」

「自分探し終わったから、帰ってきたよ」

軽く手を上げて挨拶する、すぐりと令月。

自分探しの旅って。

「〜っ!!」

ツキナは二人の姿を見て、感極まったのか。

胸の前で抱いていた、収穫したばかりの大量の大根を入れていたバケツを、宙に放り出して。

「だいこんっ…!だいこんーっ!!」

という、意味不明な叫び声をあげ。

涙目で、ツキナは令月とすぐりのもとへ駆け寄った。

宙を舞う大根。

感動の再会なのは分かるけど、食べ物を粗末にしてはいけません。

しかし、宙を舞った大根が、地面に叩き落される前に。

「おっと。あぶなーい」

すぐりが、素早く片手で透明な糸を射出し、大根をキャッチした。

素晴らしい反射神経だ。

一方、反射神経がおじいちゃんなシルナは。

「へぶっ!!」

ツキナが放り投げたバケツが、後頭部にクリーンヒット。

シルナの頭の上に、ぴよぴよぴよ、とひよこが舞い踊っていた。

…ドンマイ。

「だいこん!だいこん〜っ!!」

「久し振りだねー、ツキナ」

「元気だった?」

「だいこんーっ!!」

…全然会話になっていないが。

ツキナが非常に興奮して、そして感激しているのはよく分かる。

「だいこんっ、だいこんがねっ…だいこんなのっ…!」

「うんうん、分かってるってー」

…一緒に大根、収穫したがってたもんな。

二人共ちゃんと帰ってきたから。これから一緒に、思う存分収穫してくれ。

「じゃ、早速俺達、畑の様子見てくるからさー。また後でね」

「おぉ…」

帰ってきたばかりなのに、早速畑仕事かよ。

…で。

「…大丈夫か?シルナ」

「痛かったぁぁぁ…」

シルナ、涙目。

なんつーか、アレだな。

…ドンマイ。
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