神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
出来るだけ、さり気ない風を装いながら、ちらっとイシュメル女王の顔色をうかがった。

…扇で顔の下半分隠してるから、表情が見えないが。

…どうだ?信じてもらえ…、

「…ふ。ふはははは!おぬしら、なかなかに愉快な奴らじゃのう」

イシュメル女王は、高らかに笑い出した。

…へぁっ?

そんな反応されるとは思ってなくて、思わず言葉に詰まった。

「同じ聖魔騎士団でも、先に来た二人とは大違いじゃ」

「…シュニィと無闇のことか?…まぁ、あいつらは真面目が服着て歩いてるようなもんだから…」

俺とルイーシュは、多分その逆。

不真面目が服着て歩いてます。

「気に入ったわ。おぬしらをキルディリアの民として認めよう」

「マジっすか?」

そんなトントン拍子に話が進むとは。

いや、俺にとっては願ったり叶ったりなんだが。

「わらわの名において、おぬしらを上級魔導師に任命しようぞ」

「…良いのか?自分ら、余所者なのに…」

「なに。キルディリアの魔導師は、元々余所者の寄せ集めじゃ」

そりゃまぁそうなんだけど。

「それに、おぬしらの実力なら上級魔導師が妥当じゃろう。我が国では、人種や生まれ故郷に関係なく、実力のある魔導師が評価される」

「…ふーん…」

上級魔導師…。…自分が。

「我が国での活躍を期待するぞ、キュレム。ルイーシュ」

「…どうも」

…どうやら、潜入目的であることはバレなかったようだ。

思惑通りに事が進んだのは、良かったけど。

でも、何故だろう。

心なしか、胸のうちに不安が残っているのは…。
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