神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
「あのな、ベリクリーデ。落ち着け。昨今は…辛いものブームなのかもしれんが、ブームってのは何でもかんでも、乗れば良いってものじゃなくて…」

ちゃんと見極めることが大事なんだよ。

「流行ってるから」とか、「バズってるから」という理由で。

安易に手を出してはいけないものが、この世にはあるんだ。

そんなもんばっか食べてたら、舌が馬鹿になるからやめなさい。

と言うか、ベリクリーデは子供舌だから。

辛いものは多分、相当ダメージが大きいと思うぞ。

…それなのに。

「…??」

俺がこんなに、必死に説得しているというのに。

首を傾げて、よく分かっていないらしいベリクリーデ。

…あぁ、もう。お前って奴は。

「…分かった。じゃあ、一緒に行くよ」

「え。ジュリス、一緒におやつ買いに行ってくれるの?」

「あぁ、良いよ」

今、丁度仕事も一段落してたところだしな。

散歩がてら、外の空気を吸うのも良いだろう。

そして何より、ベリクリーデに珍妙なおやつを買わせる訳にはいかない。

俺がついていけば、変なものも買わんだろう。

「…!」

ベリクリーデは、ぱぁぁ、とお花畑が広がったように、笑顔になった。

「ジュリスと一緒に、お買い物」

「ん?あぁ…」

「えへへ。嬉しいね。何だか、凄く嬉しい」

「あ、そ…。そうか」

良かったな。

…何がそんなに嬉しいのか知らないが。

「よーし。じゃあ、おやつ買いに行こ」

「はいはい」

「ジュリスとカプリッコ〜♪」

…変な歌を歌うのはやめなさい。
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