神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

sideキュレム

ーーーーーー…一方。

ベリクリーデちゃんが、キルディリア魔王国に拉致されたことも。

専属見習い魔導師の二人が、俺達をスパイではないかと、ずっと監視していたことも知らず。

俺とルイーシュは、相変わらず、互いに頭を悩ませていた。




…いや、違うな。

「うーん…。どうしたもんかな…」

「そうですね…。凄く悩みますよね」

「あぁ…さすがにな。今回のことは…俺みたいな頭の足りない奴が判断するには、あまりにシビア過ぎる」

「分かりますよ。…この決断次第では、世界のこれからの行く先を左右するでしょうから」

「だよな…。絶対に、判断を間違えちゃいけない…」

「えぇ…。…おっしゃる通りです」

意見が合ったようだな。俺も、ルイーシュも。

さすがのルイーシュも、今回ばかりは真面目に考える気になってくれたようで、何よりだ。

…で、

「…さっきから、めっちゃ良い匂いがするんだけど。何これ?」

「え?…これです、さっき買ってきた中華まん」

ルイーシュは、ビニール袋を掲げて見せた。

その中には、ほっかほかの美味しそうな、中華まんがいくつか入っていた。

それかよ。さっきから漂う、かぐわしい芳香の正体は。

「なぁ、ルイーシュ。まさかとは思うんだが」

「キュレムさん。豚まんとあんまん、どっちにします?」

「話を聞けって。…あと、俺は豚まんかな」

「分かりました。じゃ、ピザまんをどうぞ」

「ちょっと待て。そんなの選択肢になかっただろ」

ふざけてる場合か?なぁ。

真面目な空気を漂わせておいて、ここでふざけるってお前、ほんと何なん?
< 203 / 328 >

この作品をシェア

pagetop