神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
「…」

ぽかんとして、固まるブラマンジュ。

なんだ。一体どうしたんだ?

俺の嘘、やっぱり下手くそ過ぎたか?

でも、「チョコレートの伝道師」よりはマシだろ。どう考えても。

頼むから、黙ってないで、なんか反応してくれ。

すると。

「そう…。そういうことだったんですね」

と、ブラマンジュが頷いた。

…えぇと。

「ありがとうございます、魔導師様。我がキルディリア魔王国は、魔導師の移民を歓迎します」

「あ、あぁ…」

「分かりました。イシュメル女王陛下は、キルディリア国軍本隊と共に、総督府に駐屯していると聞いています。ご案内しますね」

「…!本当か?」

「はい、勿論です」

微笑んで答えるブラマンジュ。

…すげぇ。なんか、奇跡的に上手く運びそう。

ブラマンジュが単純な、素直な子で助かった。

結果として、キュレムに続き、俺まで…二度も騙すことになってしまって、非常に申し訳ないのだが。

このくらいで、罪悪感に苛まれていたんじゃ。

今頃、アーリヤット人の反乱の渦中で…いわば、最前線で戦っている仲間達のことを思えば。

…彼らに失礼というものだ。

俺は、自分のやるべきことをやらなければ。

「どうぞ、お二人共。こちらへ」

「あぁ…。…すまない、ありがとう」

こうして。

思わぬ案内人に出会った、俺とシルナは。

イシュメル女王がいるという、アーリヤット皇国領のキルディリア総督府に向かうことになった。
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