神殺しのクロノスタシス7〜後編〜
…数分後。

俺は、エリトールを始め、ビルを取り囲んでいたキルディリア軍の小隊を制圧した。

何とか、誰も殺さずに無力化させられた。

「ふぅ…。やれやれ、こんなもんかな…」

「…ほぇー」

ベリクリーデ、目をぱちくり。

「…どうしたよ?」

「ジュリス、凄いね。あっという間だ」

そう言いながら、ベリクリーデはその場にしゃがみ込み。

頭の上に、ぴよぴよとひよこが踊っている状態のエリトールを、つんつんしていた。

こら。やめなさい。

「別に…このくらい、大したことじゃねぇよ」

確かに、エリトールは少々手練れだったが。

それでも、やはり若いと言うか…。…単純だった。

ベリクリーデのせいで、頭に血が上っていたせいでもあるのだろうが。

あるいは…ルイーシュに裏切られた時から、ずっと激昂していて、冷静な判断が出来なくなっていたのかもな。

思っていた以上にあっさりと、制圧されてくれたよ。

もっと血生臭い戦争になるかと思っていたが…。

意外と、何とかなりそう…か?

…いや、まだ分からないな。

さっきから、各地で、爆発音や炸裂音のようなものが聞こえてきている。

反乱が起きているのは、ここだけではないようだ。

…すると。

「あんたら…。一体何者だ?」

「ん?」

ビルの中に立てこもっていた、アーリヤット人の一人が…怪訝そうな顔でこちらを見ていた。

おぉ、あんたら。

良かったな、命拾いしたぞ。

「ジュリスはジュリスだよ」

ドヤ顔で答えるベリクリーデ。

何を言ってんだ。お前は。

「俺達はルーデュニア聖王国から来た、聖魔騎士団の大隊長だ」

「ルーデュニアから…?」

そうだよ。

「言っとくが、俺達はアーリヤット人の味方じゃない。キルディリアの敵でもない。この馬鹿げた争いを終わらせに来ただけだ」

「…それは…どういう、」

さぁな。

「怪我人はいるか?後方に、応急の救護所を作ってある。案内するから、そこに運んでくれ」

「あ、あぁ…。助かる」

ビルの中には、キルディリア軍との攻防で怪我をした人々が、まとめて部屋の奥に寝かされていた。

怪我人は多少いるが、どうやら死人は出ていないようだ。

不幸中の幸い、って奴だな。

「ベリクリーデ。ここの怪我人を連れて、一旦天音達のところに戻ろう」

「うん、分かった」

それから、ここのデモを無事に制圧したことを、ナジュに報告だな。

ついでに、無闇やクュルナがどうしているかも確認するとしよう。
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