イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした
夜。
神谷の部屋で、食後の温かいお茶をふたりで飲みながら、
美香奈はぽつりぽつりと、その日のことを話した。

「……すごく緊張してたのに、話しながら不思議と落ち着いて。
終わった後、ほっとしてる自分がいたの。なんだか……ね、少し泣きそうだった」

神谷は湯呑を置き、静かに頷いた。

「ちゃんと、向き合ったんだな。……えらい」

「そんな、大したことじゃ……」

「いや、大したことだよ。
他人の痛みに寄り添うのは、簡単なことじゃない。まして、自分も似た痛みを持ってるなら、なおさら」

その言葉に、美香奈はそっと目を伏せる。

「……でも、きっとあのとき、助けられたから。
誰かの“怖さ”が、わかる気がして。――その手を、ちゃんと取ってあげたいと思えたの」

神谷は言葉を挟まず、ただ優しく頷いた。

そして、そっと彼女の手を取り、自分の指で優しく包み込むようにさすった。

「……そう思える君が、俺は好きだよ」

その一言に、美香奈は堪えきれず、涙を一粒だけこぼした。

それは悲しみの涙ではなく、
ようやく見えた“自分の居場所”を、そっと確かめるような涙だった。
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