大嫌いなパイロットとのお見合いはお断りしたはずですが
 朋也には恋人ができたのだろうか。
 相手は、彼の隣を独占していた華やかなCAだろうか。
 並んで歩いていたふたりの様子が、頭のなかで容赦なく再生される。

(嫉妬……? もしかしてわたしも……えっ、え、そんなことある!?)

 夢を叶えた朋也に対する羨望と、今でも引きずっている自分に対するみじめさで、胸が騒いだのだと思っていた。
 だからそれ以外なんて、考えもしなかったけど――。
 美空は落ち着こうとしてレモネードを勢いよく喉に流しこむ。だが、とたんに咽せた。

「ごほっ、ごほっ……」
「――木崎? 木崎、お前ひょっとして……」

 にわかにうろたえた美空に、隣の瀧上がなにかに気づいた様子で眉を寄せた。
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