[慶智の王子・西園寺京の物語]ラブストーリーは一夜の過ちから始まる〜アラフォー男と三十路女の拗らせ恋愛〜
私の言葉に何かを感じ取ったらしい京兄ちゃんはしばらく考え込み、ふと口に出てしまった彼の物言いに怒りが倍増したが、やはり兄ちゃんと真帆子ちゃんには、言葉の意味の取り違いがあるのではと気づく。
ここは落ち着いて兄ちゃんの言い分を聞いてみた。いくらクズとはいえ、雅と涼介が公平に判断する耳を持っているのを知っているから。
兄ちゃん側の話に私を含めた三人が、呆れ果てている。やはり兄ちゃんが先走って起きた誤解。それなのにまだ余計なことを呟く。
「結局、口の軽い女だったってことか。いちいち人の気持ちをかき乱して……気に障るやつだ」
聞いた瞬間思わず体が動き、ローテーブルからミネラルウォーターを取り上げ、京兄ちゃんに頭からぶちまけていた。
「真帆子ちゃんはね、私にも文香にも、何を聞かれても京兄ちゃんの名前も、会社のことも、一言も言わなかったの! それどころか、あなたに関係するものすべてから距離を置こうとしてるのよ!」
その後、真帆子ちゃんがリモート職を探していること、『西園寺』と言う名前を出しただけで拒絶されたこと、文香が会社での兄ちゃんの行動と真帆子ちゃんの今までの動言で彼女のあの夜の相手が京兄ちゃんとわかったと説明した。
本当は教えたかった。真帆子ちゃんのお腹には京兄ちゃんとの赤ちゃんがいることを。
でもさすがの私でもこの線を越えてはいけないとわかっている。
最後に一言言ってその場を後にした。彼らは何も言わなかった。いや、言えなかったんだろう。
「ちゃんと向き合って。真帆子ちゃんと話して。じゃないと兄ちゃん、一生後悔する。私は、兄ちゃんのこと、許さないから。あなたたちのおかげで、どれだけ私が辛い思いをしたなんか、考えたこともないでしょうね」
言うべきことは全て言った。あとは京兄ちゃんがどう動くかだ。
私もやるべきことはやった。きっと真帆子ちゃんはこんなこと望んではいないと思う。
けれど、こうでもしないとあのクズ兄貴には伝わらなかっただろ。
それにこれは真帆子ちゃんだけのためではない。真帆子ちゃんを使って、長年の私の怒りや悲しみの負の感情をあいつらに吐き出させてもらったのもある。
これから京兄ちゃんと真帆子ちゃんがどうなるのかわからない。
なぜか心も軽くなり、私はただ二人の幸せを願うばかりだ。
〜終わり〜
ここは落ち着いて兄ちゃんの言い分を聞いてみた。いくらクズとはいえ、雅と涼介が公平に判断する耳を持っているのを知っているから。
兄ちゃん側の話に私を含めた三人が、呆れ果てている。やはり兄ちゃんが先走って起きた誤解。それなのにまだ余計なことを呟く。
「結局、口の軽い女だったってことか。いちいち人の気持ちをかき乱して……気に障るやつだ」
聞いた瞬間思わず体が動き、ローテーブルからミネラルウォーターを取り上げ、京兄ちゃんに頭からぶちまけていた。
「真帆子ちゃんはね、私にも文香にも、何を聞かれても京兄ちゃんの名前も、会社のことも、一言も言わなかったの! それどころか、あなたに関係するものすべてから距離を置こうとしてるのよ!」
その後、真帆子ちゃんがリモート職を探していること、『西園寺』と言う名前を出しただけで拒絶されたこと、文香が会社での兄ちゃんの行動と真帆子ちゃんの今までの動言で彼女のあの夜の相手が京兄ちゃんとわかったと説明した。
本当は教えたかった。真帆子ちゃんのお腹には京兄ちゃんとの赤ちゃんがいることを。
でもさすがの私でもこの線を越えてはいけないとわかっている。
最後に一言言ってその場を後にした。彼らは何も言わなかった。いや、言えなかったんだろう。
「ちゃんと向き合って。真帆子ちゃんと話して。じゃないと兄ちゃん、一生後悔する。私は、兄ちゃんのこと、許さないから。あなたたちのおかげで、どれだけ私が辛い思いをしたなんか、考えたこともないでしょうね」
言うべきことは全て言った。あとは京兄ちゃんがどう動くかだ。
私もやるべきことはやった。きっと真帆子ちゃんはこんなこと望んではいないと思う。
けれど、こうでもしないとあのクズ兄貴には伝わらなかっただろ。
それにこれは真帆子ちゃんだけのためではない。真帆子ちゃんを使って、長年の私の怒りや悲しみの負の感情をあいつらに吐き出させてもらったのもある。
これから京兄ちゃんと真帆子ちゃんがどうなるのかわからない。
なぜか心も軽くなり、私はただ二人の幸せを願うばかりだ。
〜終わり〜