遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる

「ねぇ、慎吾と赤崎が同じコートに立つなんて高校以来じゃない?」

「そうだっけ?」

「詩織さー、慎吾には興味ないからってさ、忘れすぎじゃない?(笑)また天然を発動してるね」

「えー、忘れてるとかじゃないと思うけどな」

詩織はよく天然と言われる…

忘れる事が天然なのかな?ってたまに自分で考えるけど……

怜奈はしっかりしてるし、高校から色々助けられてきたから、自分は天然か、ドジなのか、どう違うんだろうと思いながらも感謝はしている。

「だって、慎吾は今年初めての全日本代表だもん、一緒に喜んでくれたじゃん」

「あー、そうだね、ごめん」

そうだった、思い出した!

こういう所なのかな…やっぱり忘れっぽいのかな

「あっ、2人がこっちを見てるよ」

怜奈が軽く手を振ると川辺くんは大きく手を振り返していた。


高校時代から川辺くんは明るくて感情が顔に出る人で怜奈と付き合ってからの川辺くんはいつもニコニコしていたなぁと思い出していた。

隣に立っている慶太くんは手も振らないんだけど目が合って口角が上がったのは詩織にもわかった。

「相変わらず赤崎はクールだね」

怜奈はそう言ったが実は慶太くんはバスケ以外ではとてもかまってちゃんなのだ。

自分の立場もわかっているし、内心は川辺くんみたいに手を振りたいんだけど…振ると会場がどうなるか理解出来るから、何もしない。

ふふふっと詩織も笑っていたようで…

「ちゃんと会えてる?」と怜奈に聞かれた。

「うーん……会えないね、でも電話はくれるよ、時差大変なのにね」

「あー、だね」

慶太くんを見ていると再び目が合い人差し指と親指で長方形を作っていた。
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