暁に星の花を束ねて
狙われた花と獣
紅茶の湯気がまだ揺れている。
その穏やかな時間を、爆発音が無惨に引き裂いた。
──会場の奥で閃光。
耳を打つ轟音とともに、黒煙が天井にまで立ちのぼる。
悲鳴と怒号が瞬時に広がり、ざわめきが津波のように押し寄せた。
「な、何……!?」
葵が立ち上がろうとしたその瞬間、佐竹の声が鋭く割り込んだ。
「動くな」
低く、冷ややかで、絶対の支配力を帯びた声。
彼は端末を閉じ素早く周囲を見渡していた。
人波の中から紅装束の影が迫る。
観客を押しのけ、まっすぐこちらを狙っている。
「星野葵、発見。確保──」
その声に反応するより早く、佐竹の体が動いた。
椅子を蹴り飛ばし、葵の前へと身を滑り込ませる。
一瞬でテーブルが盾となり、飛び込んできた敵の動きを封じる。
その穏やかな時間を、爆発音が無惨に引き裂いた。
──会場の奥で閃光。
耳を打つ轟音とともに、黒煙が天井にまで立ちのぼる。
悲鳴と怒号が瞬時に広がり、ざわめきが津波のように押し寄せた。
「な、何……!?」
葵が立ち上がろうとしたその瞬間、佐竹の声が鋭く割り込んだ。
「動くな」
低く、冷ややかで、絶対の支配力を帯びた声。
彼は端末を閉じ素早く周囲を見渡していた。
人波の中から紅装束の影が迫る。
観客を押しのけ、まっすぐこちらを狙っている。
「星野葵、発見。確保──」
その声に反応するより早く、佐竹の体が動いた。
椅子を蹴り飛ばし、葵の前へと身を滑り込ませる。
一瞬でテーブルが盾となり、飛び込んできた敵の動きを封じる。