暁に星の花を束ねて
その頃、戦略部門部長室。
壁一面を覆うのは暗色の書棚と電子資料端末。
窓は高層階からの光を遮断するように分厚いブラインドで閉ざされ、部屋全体は静謐で冷ややかな空気に満ちていた。
中央に置かれたデスクは重みのあるマホガニー。
書類は整然と並べられ、無駄な装飾ひとつない。
まるでそこに座る者の性格をそのまま映し出しているかのようだった。
そのデスクに佐竹が腰掛け、無言で端末を操作していた。
対面に立つのは一人の男。
「……報道各社、ほとんど触れていませんね」
彼は片岡一真(かたおか かずま)。
戦略部門分析課長の二十七歳の男で、部長佐竹蓮より五才ほど年下である。
片岡は慎重に言葉を選びながら声をかけ、銀縁の眼鏡のブリッジを指で押し上げた。
姿勢は端正だが、その指先には微かな緊張が滲んでいる。
緻密な情報処理能力と冷静な判断を武器にする一方で、時折「人間としての良心」が顔をのぞかせる男だった。
「展示会場での爆発など、本来なら大見出しになるはずですが……」
懸念する片岡に佐竹は視線を寄越さず、低く告げた。
壁一面を覆うのは暗色の書棚と電子資料端末。
窓は高層階からの光を遮断するように分厚いブラインドで閉ざされ、部屋全体は静謐で冷ややかな空気に満ちていた。
中央に置かれたデスクは重みのあるマホガニー。
書類は整然と並べられ、無駄な装飾ひとつない。
まるでそこに座る者の性格をそのまま映し出しているかのようだった。
そのデスクに佐竹が腰掛け、無言で端末を操作していた。
対面に立つのは一人の男。
「……報道各社、ほとんど触れていませんね」
彼は片岡一真(かたおか かずま)。
戦略部門分析課長の二十七歳の男で、部長佐竹蓮より五才ほど年下である。
片岡は慎重に言葉を選びながら声をかけ、銀縁の眼鏡のブリッジを指で押し上げた。
姿勢は端正だが、その指先には微かな緊張が滲んでいる。
緻密な情報処理能力と冷静な判断を武器にする一方で、時折「人間としての良心」が顔をのぞかせる男だった。
「展示会場での爆発など、本来なら大見出しになるはずですが……」
懸念する片岡に佐竹は視線を寄越さず、低く告げた。