恋命

第三章

郁人の死から1ヶ月経っても、心は放心状態のままだった。

それからしばらくした頃、2月も半ばを過ぎたある日、心が教室にいないことに気付いた美紗達がいた。

「心は?!」

思い当たる場所はひとつしかなかった。

…屋上…。

美紗達は必死に屋上までの階段を駈け登った。

「心!!」

屋上の扉を開けて、心を見つけて走る。

美紗達が走るよりも心が落ちる方が早かった。

「心ーっ!!」

美紗達が心のいた場所に着いた時、心はもういなかった。

下では生徒のざわめき。

先生が救急車を呼んで、隊員が心を運ぶ。

美紗達はそのままタクシーで病院へ行った。

着いた時には緊急手術が行われていた。

手術室の前で待っていると、心の両親が駆け付けた。

しばらくすると手術中の灯が消え、扉が開いた。

「心は?!」

美紗は医者の両腕をつかみ、問詰めた。

医者は静かに答えた。

「残念ですが…。」

その言葉を聞いて美紗達は手術室に駆け込んだ。

手術台の上には、体中傷だらけで、管にたくさん繋がれた心がいた。

「心ーっ!!」
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