ご主人様は糖度高めの三つ子様




*


「俺は長男の太陽。
わからないことがあったら俺にきいてね。
俺に」
「あの、私、恥ずかしながら、
家事とかあんまやったことなくて」
「大丈夫、大丈夫~
優秀な家電たちに任せたらいいんだから」


太陽さん。彼は一番仲良くなれそうだ。
優しそうな笑顔に話しやすい雰囲気。
爽やかで皆から好かれそう!

「使い方分からなかったら、
俺にきいて。
俺に。ね?」

と言って、頭を撫でてくれた。
なんか…嬉しい…
人に頭を撫でられたことなんてないし…


「草詰さん、僕たちは雇用主と被雇用者の関係です。
馴れ合うつもりはないので」
「あ、はい…」
ごもっとも。
「あ、申し遅れました。
僕は(さく)。三男です」


彼はちょっと近寄りがたい。
いつも不機嫌な顔。
きっと私が気に入らないんだろうな。

まぁ、そういうの慣れてるからいいんだけど。


「木葉ちゃん、住み込みだよね?」
と太陽さん。

「もうちゃん付けで呼んでるのですか。
ふん、さすが太陽兄さん」
「さっくんも呼びたいなら呼べばいいのにー。
さっ、行こ。
木葉ちゃんの部屋に案内するね。
それとも俺の部屋に行く?」


太陽さんは私の腰に手を回す。
体を引き寄せられ心臓がバクバクした。

「へっ?!いや…
私のお部屋にお願いします…」





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