ご主人様は糖度高めの三つ子様
雷のその言葉と優しい眼差しを見た時、
私の中で何かが込み上げてきた。
目頭が熱くなって、喉も苦しくなった。
なにこれ、すっごくひさしぶりな感覚…
もう我慢できなくて、
自分の部屋まで走って戻ると、
ドアを締めてベッドに潜り込んだ。
そして20年ぶりくらいに大声で
泣いたのだった。
なーんだ、私、ちゃんと泣けるんだ。
しかもこれは悲しい涙じゃない。
私に頼れる人ができたんだ。
よかった…
雷には弱いとこ見せても大丈夫なんだ…
確かにいつも彼に助けられてる気がする…
「あぁ枕が濡れる…ハンカチ…」
ベッドからよろよろと出てクローゼットを開ける。
おしゃれな木製のドロワーを
開けようとした時、
私は何かにつまずいた。
「え…私のサンダル…なんでここに?」
今日一日私を振り回したサンダル。
誰かが見つけてここまで持ってきた?
誰?
それに、なんでこんなところに?
私に言わずなんのために?