転生幼女と宰相パパは最強コンビ
プロローグ
「木山さん、この資料の確認をお願いしていい?」
同僚から声をかけられた木(き)山(やま)茜(あかね)は、顔を上げた。
ここは、とある大学に属する図書館である。
古い資料を確認し、必要があれば修理や修復をし、いつの日か出番が来るまできちんと保存できるよう保管するのが茜の仕事だ。
茜は、子供の頃から乱読だった。本でなくとも、文字があればなんでも読んだ。
たくさんの本に囲まれている今の仕事には満足している。
「今やってる作業が終わったら、確認しますね」
「お願い!」
顔の前に片手を立てて茜を拝む仕草をした同僚は、慌ただしく行ってしまう。
その後ろ姿を見送った茜は、今修復作業中の書籍に目を落とした。
(家に帰ったら、この間買った本を読もう)
生まれてからずっと、家には多数の本があった。
両親共に大学に所属する研究員。
それぞれ専門分野こそ違っていたものの、実家の各部屋はすべて本でぎっしり。田舎暮らしだったから、家は広く、廊下も本棚を置くスペースに活用されていた。
同僚から声をかけられた木(き)山(やま)茜(あかね)は、顔を上げた。
ここは、とある大学に属する図書館である。
古い資料を確認し、必要があれば修理や修復をし、いつの日か出番が来るまできちんと保存できるよう保管するのが茜の仕事だ。
茜は、子供の頃から乱読だった。本でなくとも、文字があればなんでも読んだ。
たくさんの本に囲まれている今の仕事には満足している。
「今やってる作業が終わったら、確認しますね」
「お願い!」
顔の前に片手を立てて茜を拝む仕草をした同僚は、慌ただしく行ってしまう。
その後ろ姿を見送った茜は、今修復作業中の書籍に目を落とした。
(家に帰ったら、この間買った本を読もう)
生まれてからずっと、家には多数の本があった。
両親共に大学に所属する研究員。
それぞれ専門分野こそ違っていたものの、実家の各部屋はすべて本でぎっしり。田舎暮らしだったから、家は広く、廊下も本棚を置くスペースに活用されていた。
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