転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 アークスを見送ったあと、居間のソファに座ったリリカは足をぶらぶらさせながら微笑んでいる。よほどアークスと会えたのが楽しかったらしい。

「次の休みは、王宮でいいのか?」

 アークスが誘ったのだが、本当に一緒でいいのだろうか。リリカは年齢より大人びているようだから、アークスとでも話が合うのかもしれないが。

「あいっ!」

 やはり、リリカは足をぶらぶらさせたまま。行儀悪いかもしれないが、今のところはまあいいか。
 リリカから前世の知識があるという話をされたのは驚きだったが、こうしているところを見るとただの子供にも見える。不思議な存在だ。
 それに、このところリリカを見る自分の気持ちにも変化が起きているような気がする。ただ、養育しておけばそれでいいと思っていたはずなのに。

「生活に不自由はないか?」
「どちて?」
「……今、気になっただけだ」

 問いかけておいて、自分でもなぜそうしたのかわからない。アークスと過ごしているところを見て、まるで兄妹のようだと思ったのがきっかけだったのだろうか。

「ないよぉ。あたち、パパと、トワとマーシャとローゼシュとドミと……ええと、それから」

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