転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 ふぇ、と泣き声を上げれば、マーサと呼ばれた女性は、すぐに茜が空腹で疲れきっているのに気づいたようだった。

「赤ちゃんのお世話は、マーサにお任せくださいませ。すでに、ご用意できておりますので」
「わかった。私はすぐに王宮に行く。次、いつ戻れるかはわからないが、子供の世話を頼む」
「かしこまりました」

 あ……と茜は不意に手を伸ばす。あの触り心地のいい服をもうちょっと触ってみたい。
 それが、どんな感情からもたらされるものか、茜自身にもわからなかった。
 だが、赤子の手は短く、ここまで茜を抱えてきてくれた人のところまでは届かなかった。

「行ってらっしゃいをしましょうね」

 茜を抱き上げたマーサが、そっと茜の手を取って左右に振る。

(……まあ、いいか)

 マーサは親切心でやっているのだろうし、今度は、ここでお世話になるしかないのだ。どんな風に世話をされるのかはわからないが、おとなしくしておこう。
 なんて思ったけれど、おとなしくしていられたのは、ほんの一瞬だけだった。

(快適! とっても快適!)

 今までのお世話とはまったくレベルが違う心のこもったお世話だ。
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