転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 羞(しゅう)恥(ち)心(しん)を感じる間もなく、マーサの優しい手でささっとおむつを替えられ、適温のミルクが運ばれてくる。

「んっ、んっ」

 今までもミルクは与えられていたけれど、たいていはひんやりしていた。たぶんあれは作り置き。まとめて作って、時間になったら与えていたのだろう。

(甘い、美味しい! 甘い! 美味しい!)

 マーサが支えてくれているが、両手でしっかりと哺乳瓶を掴んでごくごくとミルクを飲んでいく。マーサはその勢いにも、微笑ましいものを感じているようだ。

「まあ、元気がいいこと。マーサもあちらにお供できていればよかったのですけれどねぇ……赤ちゃんがいるとは誰も聞いてなかったみたいなんですよねぇ……マーサがお供していれば、こんなにお腹が空く前にミルクをご用意できましたのに」
「むぅ……」

 哺乳瓶一本分を飲み干し、もう少しお代わりをもらったところで力尽きた。
 目がとろんとして、そのまますぐにでも眠りの国に旅立ってしまいそうだ。

「お腹がいっぱいですね……、少しお休みしたら、お風呂に入りましょうか」

 お風呂! その言葉に、ぱちりと目を開く。
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