転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「転生という例が、今までなかったわけじゃない。ごくまれに、他の世界から転生してきたという者もいたようだ。」
「しょうなの?」
「ああ。彼らの知識は、この国にとって非常に有益であったと記録に残されていた」

 そうだろうそうだろうとリリカは首を縦にふる。リリカにはそこまでの能力はないけれど、便利な発明をできる能力を持った人もいたはずだ。

「そうなると、リリカの持つ前世の知識を狙おうとする者もいるだろう」
「――あたち、しょこまでしゅごいちちき、もってない」

 リリカの前世は、単なる司書だ。いわゆる転生チートは持ち合わせていない。

「それは、わからないだろう? リリカが気がついていないだけで、今まで我々が考え付きもしなかった知識を持っているかもしれない」

 そうなのかなぁ、とリリカはイヴェリオの膝の上で腕を組んだ。短い腕だが、ちゃんと腕組みできるのだ。
 むふんむふんと鼻息荒く考え込んでいたら、頭の上の方でイヴェリオが笑う気配がした。

「パパ?」
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