転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「いや、なんでもない。リリカの読み書き能力がすごいのは、精霊の加護ということにしたからね。これからは、王宮図書館でも、資料保管庫でも、どこにでも入れるようにしておいたよ」
「しぇいれいのかご……」

 トワと契約したのは事実だ。事実とは少々ずれてはいるが、まるきりの嘘というわけではないならまあいいか。

「わかった。きをちゅける」
「そうしてくれ。リリカに何かあったら、大変だからな」

 抱きしめてもらうのは気持ちいいし、安心するし、離れたくない。やり過ぎだと思いつつ、イヴェリオの膝から降りようとしないのは、それが理由だ。

「さて、今日はまず王立魔術研究所に行くぞ」
「あい、パパ」

 今日は、真っ先に魔術研究所に向かう。
 王宮の敷地内に建てられている研究所は、王家が出資して様々な魔術の研究を行っている。国内でも有能な魔術師が集まっているそうだ。

(……それにしても)

 研究所の中は散らかり放題であった。
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