転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 リリカとイヴェリオが通されたのは、会議や集会に使われているという広い部屋だ。皆で使うはずのこの部屋でさえも書類の山。誰かが定期的に掃除はしているらしく、埃(ほこり)が積もっていないのは救いか。
 前世でたしなんだ創作物でも、魔術師は研究ばかりしていて、書類仕事は苦手な人が多いという設定はしばしば見かけたが、どうやらそれはここにも当てはまるようだ。
 とはいえ、部外者のリリカが指摘できる場所でもないし、ここは折を見てということにしておいた方がいいかもしれない。

「娘のリリカだ。精霊使いで、魔力の流れにとても敏感だ。夜鳴草の栽培方法の確立に、リリカの力が必要になる」
「リリカでしゅ。よろちくおねがいちましゅ」

 集まっている魔術師達の前に立ったリリカは、頭を下げてからぐるりと視線を巡らせた。三十人ほどいる魔術師は、男性も女性も同じぐらいの人数がいるようだ。
 ぺこりと頭を下げると、「可愛い」という女性の声がどこからか聞こえてくる。

「しかし、宰相閣下。このような幼い娘を出入りさせるなど……」
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