転生幼女と宰相パパは最強コンビ
(生きているって素晴らしい!)

 適切な時間に食事を与えられ、身体を清潔にしてもらえる。
 お風呂はいつだって快適で、マーサの優しい手が身体を洗ってくれている間に寝落ちしてしまうこともしばしばだ。
 マーサは、子供に話しかけることにあまり抵抗はないらしい。

「お嬢様のおうち、どこにあるのかわからないんですって……でも、大丈夫ですよ。マーサがきちんとお世話しますからねぇ」

 柔らかな衣服を着せながら、そう口にすることもあった。
 マーサや他の使用人達の話に耳をすましていているうちに知ったのだが、茜は、どこからかさらわれてきた子らしい。
 最初に意識が戻った時に転がされていた部屋は、『闇の商人団』という人身売買組織の拠点だったそうだ。
 大切な商品だから、死なない程度にお世話はされていたということのようだ。

(……なんで、私が捕まってたんだろ)

 マーサの腕の中で天井を見上げながら、手をぐーんと伸ばしてみる。小さくてぷにぷにした手。今でも、見る度に不思議に思ってしまう。

「あう、む」
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