転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 驚いたように目を見張ったヴォルガだったけれど、リリカが「はやく!」と足をじたばたさせたことで、手を繋ぐよううながされているのだとようやく悟ったらしい。

(……これで、油断してくれたらいいんだけど)

 ヴォルガがどう思っているのかは知らないが、リリカとイヴェリオ――あとアークスも――は、ヴォルガを警戒すべき相手として認識している。
 リリカがこうして、普段はやらない子供じみた仕草をするのも、ヴォルガを油断させられればと思ってのこと。

「リリカ嬢のご案内とは! これは国に戻ってからも語り継がねば!」

 そんなことはまったく思っていないだろうと突っ込みを入れたいところではあるが、ヴォルガを油断させるのが一番なのだ。
 イヴェリオもアークスも、ヴォルガにはまったく注意をはらっていない、扱いやすい人物達と思わせておきたいのである。

「これ、パパとうえまちた!」
「ほー、これは見事だ。これは咲かせるのが大変だろうに」
「よくちってる! それから、こっちはアークとうえたの!」

 はたから見れば、微笑ましい光景だろう。
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