転生幼女と宰相パパは最強コンビ
　使用人達も、リリカに愛情を与えてくれた。ここまでは、怯えていなかったかもしれない。

（よし、やれることはやろう）

　リリカは大きく息をつくと、怯えきった子供達の前に出た。

「こわかった、よね。ここはあんちんちてだいじょーぶ。あたちも、たしゅけてもらった」

　そう語りかけると、ぱっと子供のうち一人が顔を上げる。一番年長と思われる男の子だ。たぶん、七歳ぐらい。リリカの方に伸ばされた彼の手は小刻みに震えている。

「だいじょーぶ。あたちも、いっちょ。たしゅけてもらった」

　伸ばされた手を握ると、彼は、おずおずとリリカの手を握り返す。
　その手はまだ冷たくて、恐怖が抜けきっていないことが伝わってくる。周囲の子供達も、リリカの周囲に集まってきた。
　ぐぅ、と誰かのお腹が鳴る。

「おなかしゅいた？　あたちも！　ごはんたべよ！」
「……いいの？」
「もちりょん！　パパ、おいちいのくだしゃい！」

　少し離れたところから様子を見ていたイヴェリオに、リリカは手を大きく振る。
　すぐに、子供達のために、美味しい朝食が用意された。
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