転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 パパ、と言われて、イヴェリオは顔を引き攣(つ)らせた。まだ、リリカに『パパ』と呼ばれるのには慣れていないらしい。この三年の間、リリカとまともに顔を合わせたのは、ほんの数回だからしかたない。

「パパ、これ、ありがと!」

 スカートを摘まんで、ちょんとお辞儀。見(み)様(よう)見(み)真(ま)似(ね)だが、それなりに様にはなっているはず。

「……そうか。気に入ったならいい」

 けれど、イヴェリオはすっと視線を反らしてしまった。リリカは、むぅと膨れる。
 可愛い娘とは言えないかもしれないが、こちらはきちんとお礼を口にしたのに、その反応はいかがなものか。
 イヴェリオと顔を合わせるのはたいてい夜中。リリカは寝ぼけていることが多い。そのため、イヴェリオと顔を合わせる時に眠くないのは珍しい。

「旦那様、こちらの書類は旦那様のサインが必要です。それから、こちらをご確認ください」

 ローゼスの差し出した書類に目を向けたイヴェリオは、すばやく内容を確認すると、必要なものにサインした。

「パパ、こっちみてくだちゃい」

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