転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 リリカが精霊使いとしての能力を身に付けたというのに、イヴェリオはまったく喜ばなかった。それどころか、困ったというように額に手を当てて嘆(たん)息(そく)してしまう。

(見せなきゃよかったかな……?)

 手放しで喜んでくれるとまでは思っていなかったけれど、「よくやった」の一言ぐらいはあるかと思っていた。
 精霊使いの能力に目覚めたら、きっとイヴェリオの役に立てると思っていたのに。
 いつの間にか、じわじわと目に涙が浮かんでいたようだ。唇を引き結ぶけれど、その唇がぶるぶると震えている。

「……ああ、違う。そうじゃないんだ、泣くな」

 慌てたイヴェリオは、リリカの前に膝をついた。両肩に手を置き、しっかりと真正面からリリカの目をのぞき込む。

「……少し、考えさせてくれ。陛下にも報告しなければならない」

 イヴェリオは、リリカの手に棒付きキャンディを持たせてくれた。なんで、こんなものがイヴェリオの執務室にあるのだろう。

「ありがと、パパ」
「……どういたしまして」

 イヴェリオは笑みを作ったけれど、その笑みはどこか無理をしているようにリリカの目には映った。


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