転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 そう言えば、ここに転がされるようになってから、こんなに大きな物音を聞いたことなんてなかったような。

「うああああああああああ!」

 なんかもうどうでもよくなってしまって、ただ、泣きわめく。
 お腹も空いたし、お尻も気持ち悪い。手足をばたばたさせ、のけぞり、身体を丸め、懸命に声を上げる。
 やがて、どやどやと部屋に入ってくる大勢の男達。

「ここにもいました!」
「保護しろ!」

(なんなの、もうなんなの! やだ、帰りたい!)

 抱きなれていないことが丸わかりな手が、そっと茜を抱き上げる。その手が不愉快でのけぞったら、落とされそうになった。

「気をつけろ、その子で最後だな?」
「はい!」

 抵抗なんてできるはずもなく、茜はその部屋から連れ出されたのだった。
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