転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「あい、パパ。あたち、ぜんしぇのきおくがある」
「ぜんしぇ……?」
「あい、ぜんしぇ。あたち、リリカになりゅまえ、ちがうひとだった」

 イヴェリオに、この話をするのは怖かった。役に立ちたいという想いがあるのは事実だったけれど、この世界に『生まれ変わり』という概念があるかどうかはわからない。
 ただでさえ、不思議な存在らしいのに、こんな話をして不気味に思われたらどうしよう。

「前世か!」

 リリカの言葉で、ようやく『ぜんしぇ』が『前世』だと理解したらしいイヴェリオは、ぽんと手のひらに拳を打ち当てた。

「古文書が読めるのは、前世は偉大な魔術師だったからか?」
「ちがう。あたちのいたしぇかい、まじゅちゅなかった。あたち、とちょかんではたらいてた」

 舌足らずではありながらも、リリカは前世での仕事について語った。
 図書館で働いていたこと、古い書物に触れる機会もあったこと。それだけではなく、読書が大好きで、古い本から最新刊までなんでも読んでいたことも。

「……そうか」

 リリカの言葉を聞いたイヴェリオは、何事か考え込む表情になった。

「……パパ?」

< 84 / 265 >

この作品をシェア

pagetop