【完】オキナグサに愛を込めて


「エマはどうなの?」

『どうって……?』


「レンさんへの気持ち!どう思ってるの?」


……わたしのレンさんへの気持ち…。


『……分かんないの。』


レンさんと一緒にいる時間は何よりも楽しくて嬉しくて幸せで…。
このままこの時間が一生続けばいいなんて思ってる。


でも、認めてしまったらこの気持ちが溢れだしてしまいそうで……。


そうなればレンさんのそばに居れなくなる。


『レンさんに好きって伝えたらこの関係は終わりになるかもしれないんだよ?』


最初は一目会えたらいい。そう思っていたのに、走りの日あの場所へ行く度、レンさんと話したい…………そばに居たい……。

わたしってば、どんどん我儘になってる。


「……エマ」


シホの弱々しい声はわたしには届かなかった。
ただまだもう少しこの夢物語を終わらせたくなかった。



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