【完】オキナグサに愛を込めて
「チッ」
やけに大きく響いたレンさんの舌打ちはこの場の空気を変えた。
「クロサキ、ありがとな」
ヒロくんのお礼にレンさんは無視して出口へ進む。
わたしもレンさんにお礼を言いたかったけど、泣いていて上手く声を出せなかった。
そうしてる内にレンさんはすでに倉庫を出ていた……。
倉庫を出る時、アキトさんが心配そうな顔でこちらを見ていたけど、やっぱりわたしは何も言えなかった。
わたしはみんなを裏切ったと思われてるんだろうなと思ったら、声をかける資格は無いと思った。